2014年10月27日月曜日

現代アート研究会・沖縄vol.7 「サウンド&アートのゆくえ」開催!

本専攻の土屋誠一准教授による「現代アート研究会・沖縄vol.7」が開催されます。
今回のゲストは、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員の畠中実さんです。
当日は、Ustreamにて研究会の様子を配信予定ですが、ぜひ会場まで足をお運びください!


日時:2014年11月7日(金)18:30〜20:00
会場:沖縄県立芸術大学 首里当蔵キャンパス一般教育棟3階 大講義室
入場料:無料


開催概要:
近年の、メディア・アートおよび、美術、音楽のカッティングエッジを切りひらくのみならず、美術と音楽のボーダーを考察するキュレーションを展開してきた畠中実。氏は、学芸員としての活動だけではなく、膨大な量の文章を著し、同時代のアートを目撃し続けてきた人物でもあります。今回は、畠中氏の中核的なテーマである、「音」と「美術」をめぐって、その可能性を探ってみたいと思います。



講師略歴:

畠中実(はたなか・みのる):1968年生まれ。1996年の開館準備よりICCに携わる。主な企画には「サウンド・アート 音というメディア」(2000年)、「サウンディング・スペース」(2003年)、「ローリー・アンダーソン 時間の記録」(2005年)、「サイレント・ダイアローグ」(2007年)、「可能世界空間論」(2010年)、「みえないちから」(2010年)、「[インターネット アート これから] ポスト・インターネットのリアリティ」「磯崎新 都市ソラリス」(2013年)など。ダムタイプ、明和電機、八谷和彦といった作家の個展企画も行なっている。その他、コンサートなど音楽系イヴェントの企画も多数行なう。2004年「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望2004」(森美術館)にキュレーターのひとりとして参加。2006年ソナー・フェスティヴァル(バルセロナ)にて日本人アーティストのショーケースをキュレーション。現在、ICCにて1122日より開催される、「大友良英 音楽と美術のあいだ」展を準備中。

2014年10月20日月曜日

第10回芸術学専攻教養講座—②「二つの大仏と聖母子〜山田真山の宗教美術と信仰の軌跡〜」感想

 去る10月17日(金)に、芸術学専攻教養講座の今年度最終回、小林純子先生による「二つの大仏と聖母子〜山田真山の宗教美術と信仰の軌跡〜」を行いました。
多くの方にご来聴いただきまして、誠にありがとうございました。

 さて、講座の主な内容は沖縄の彫刻家であり画家である山田真山について、信仰対象が変わったことにより、彼が制作した2つの大仏と聖母子像から読み取れる制作意図の変化を制作の裏話などを紹介していただきました。また山田真山の思想において、欠かせない「宇宙即我」という考えについても詳しく紹介するものでした。

 以下に、この講座を聞いた芸術学専攻1年生の感想を紹介します。

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感想①
 今回、小林教授の教養講座を受けながら思ったことは、多くありました。まず山田真山とは何者だろう?から始まり堆錦技法とは?と思い思いに拝聴していたところ、そも山田真山は本名を渡嘉敷兼愼といった生粋の沖縄人であり、堆錦とは琉球独自の技法ということがわかりました。
 また、質疑応答においても大変興味深い質問や意見が飛び交ったりと初めから終まで非常に為になる講座であったと思います。

(芸術学専攻1年 赤嶺和佳乃)
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感想②
 今回の小林純子先生の教養講座は、山田真山の手掛けた三つの宗教美術についての講座で、真山の宗教観について考えさせられるものでした。
 初め題材である、二つの大仏と聖母子と聞いたときには、真山は仏教徒なのかキリスト教徒なのかと疑問に思いましたが、平和記念像の話を聞いてそういったものは関係のない、真山のもつ宇宙即我の考えが分かり、興味深かったです。宇宙即我はキリスト教も仏教も信仰し、戦争を経験した真山ならではの思想なのではないかと感じました。
 また、真山の仕事に対する姿勢、人物像や、実際に真山と交流した方の話を聞いて、芸術を学ぶ上で作品を理解することはただ作品を観るだけでなく、作家自身を知ることも重要だと思いました。

(芸術学専攻1年 糸満夏希)
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感想③
 山田真山が造ったいくつかの作品の背景にある、真山の宗教観やその人間性にも触れることができました。特に「宇宙すなわち我」の思想を基に平和祈念像がつくられたというお話がとても印象に残っています。そして、木村小左衛門さんと山田真山のちょっとした面白い話もきけてとても面白かったです。
 実を言うと、私は小林先生のこの講座を聴くまで、山田真山という人物を知りませんでした。小学生の頃、社会見学で見に行った平和祈念像しか知らないまま講義を聴いたので、初めは理解できるか、話についていけるか不安でしたが、小林先生のわかりやすい解説で山田真山という人物についてもっと知りたいと思うきっかけになりました。

(芸術学専攻1年 平良佳蓮)
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 芸術学専攻では、毎年10月に広く一般の皆さまに「芸術学」という魅力ある学問について知っていただくために、教養講座を行っております。
来年度も同じ時期に教養講座を行いますので、ぜひ「芸術学専攻教養講座」へお越しください!
 本専攻の教員の普通の本ではちょっと知ることのできない、美術の裏話や実際の経験を聴き、より多くの方へ魅惑的な芸術学の世界を知っていただきたいと考えております。

2014年10月15日水曜日

第10回芸術学専攻教養講座 第2回目開催のお知らせ

先週の金曜日は、台風に負けず土屋誠一准教授による第一回目「美術発信のストラテジー」を開講いたしました。
ご来聴くださいました皆さま本当にありがとうございました!

さて、小林純子教授による第2回目の講座を今週末に行います!
みなさま、お誘い合わせのうえ、ぜひご来聴ください!!


第10回芸術学専攻教養講座

日時:2014年10月17日(金)18時〜19時30分
場所:沖縄県立芸術大学首里当蔵キャンパス 附属図書・芸術資料館1階 多目的室

二つの大仏と聖母子
〜山田真山の宗教美術と信仰の軌跡〜」
講師:小林純子

内容
 糸満市摩文仁にある平和祈念像の作者として知られる山田真山は、このほかにも大作の宗教美術を制作しています。一つは戦前につくられた愛知県一宮市の大仏です。平和祈念像も大仏といえるので、真山は沖縄戦をはさんで二つの大仏を手がけたことになります。あとの一つは、戦後間もなく制作したカトリック石垣教会の祭壇画で、聖母子(海の星の聖母)が描かれています。これらは真山が全身全霊を打ち込んだ作品で、職業画家・彫刻家としての単なる仕事ではありませんでした。制作の経緯をお話しするとともに、真山の宗教観や信仰の軌跡に迫りたいと思います。




第10回芸術学専攻教養講座―①「美術発信のストラテジー」感想


 去る10月10日(月)に、芸術学専攻教養講座の今年度第一回目土屋准教授による「美術発信のストラテジー」が行われました。
悪天候のなか、ご来聴いただいた多くの皆さまに改めて御礼申し上げます。

 講座の主な内容は、土屋准教授が集団自衛権の閣議決定を受け、SNS(Twitter)を使用し呼びかけ、企画した「反戦展」について、どのような経緯で行ったのか、実際に当時のツイートなどを追いながら、社会と美術との「つながり」についてお話いただきました。

 さて、以下に「美術発信のストラテジー」を聴講した、芸術学専攻1年生による感想を紹介します。

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感想① 
 今回、土屋先生の芸術学専攻教養講座「美術発信のストラテジー」を受講して、現代を生きる私たちが美術に関わる立場として将来のために何ができるのか、を改めて考えさせられました。集団自衛権や憲法九条などの政治的な問題に対して、実際に行動を起こしていくことの必要性を土屋先生が企画した反戦展が示したのではないかと思います。この展示会を開くにあたって、賛同者を募る際や展示会場の決め方、作品の配置にいたるまで反戦を訴える姿勢がぶれることなく公平なものであったという点が、コンセプトに合っていて素敵だと思いました。遠くない昔、地上戦があったこの沖縄でも何らかのアクションを起こしていくべきだと私は思います。一人でも多くのひとが広い分野に関心を持って未来をみつめられたらいいなと感じました。
(芸術学専攻1年 上間黎亜)
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感想②
 右傾化する現在の日本の状況、具体的にいえば、日本の平和主義の在り方に対する、人々の意識の変化や、悪化する近隣諸国との外交問題などには、油断ならない危機感を抱くことがある。SNSやネットのニュースのコメント欄では、特定の国の人々に対する、または逆に日本人に対する、人種差別的な中傷が恐ろしいほど増えているし、そうした負の感情が冷静な判断力を人々から奪っているように思える。
 未来から日本の美術史を眺めた時、今の複雑な時代に芸術家が何の行動も起こさないのは問題ではないだろうか。美術上の問題と国政上の問題は確かに関係がないかもしれないが、「美術」という表現手段を以て現状への批判としてのアクションを起こすのは、人々に善き関心と冷静な心を取り戻させるきっかけになるだろう。ただ、そうした美術は安易な非難として、むしろ問題の解決から遠ざけてしまうような、悪質なものとならないように気を付けなければならない、と感じた。
(芸術学専攻1年 長嶺勝磨) 
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感想③
 今回の教養講座は、土屋誠一先生自らが関わった反戦をテーマにした展覧会について、どのような経緯で展覧会を開いたか。またその展覧会の趣旨、工夫、意図などをわかりやすく講義したものでした。講座内容の中で特に驚いたのが、ポスターやチラシをあまり活用せず、自分たち学生もよく使っているツイッターなどのツールを活用して宣伝をして、成功を収めているという点でした。現代には現代にマッチした展覧会のありよう、ひいては芸術活動があり、僕たち芸術学専攻は広い視野を持って物事を考えなくてはならないと思いました。
(芸術学専攻1年 廣川純一)
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 芸術大学において、「芸術学専攻」という場所がいったいどんなことをしているのか、疑問に思われる方も多いと思います。実際に(非常に残念なことに)学内においても、他専攻の学生に「芸術学ってなにしてるの?」と聞かれることもしばしばあります。確かに私たちは、絵画や彫刻といった作品を制作することを目的としているわけではありません。
私たちは、美術のさまざまな歴史を学び、そこに関係する偉人たちの思想を知り、考え、言葉にする方法を学びます。そして、作品をつくる作家とは別の視点で物事を捉え、美術に関する様々なことを社会に発信していく仕組みを学びます。
 さて、みなさんは、「芸術学」という言葉からどのような学問を思い浮かべるでしょうか。この教養講座は、「芸術学」という魅力ある学問をひろく一般の皆さまに知っていただくため、毎年開講しているものです。芸術学専攻の教員が幅広いジャンルから提供する講座へぜひ足をお運びください。